同性カップルと不動産賃貸について【賃借人と賃貸人の立場】

今日の日経新聞朝刊を読むと「同性カップル、世田谷も公認、「宣誓書」でお墨付き、企業に協力要請へ。」という見出しがあった。

僕がこれまで不動産業を行ってきた経験では、同性カップルと出会ったことはありません。

しかしこの記事を読みながら、きっと肩身の狭い思いをしている人もたくさんいるのだろうと考えました。

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2015/07/30  日本経済新聞 朝刊 より

東京都世田谷区は同性カップルを対象にした「宣誓書」の受付制度を導入する方針を決めた。区が作る独自の誓約書を同性カップルが提出すると、その写しを交付したうえで、区長名の受領書を渡す。同様の事例として証明書を発行する条例を制定した渋谷区と違い、法的な裏付けはないが、事実上の証明書代わりにしてもらう。

 11月にも始める制度の対象は、20歳以上の世田谷区内に住む同性カップルで、一方が区内への転入を予定している場合も認める。同性カップルは戸籍上の家族ではないことを理由に、住まいの賃借や病院での面会など日常生活で制約がある。独自の制度で性的マイノリティー(少数者)が生活しやすい環境づくりを後押しする。

 関連条例は制定せず、区内の不動産業者や医療機関などに取り組みの趣旨を理解してもらうよう協力要請を検討する。

 保坂展人区長は「区長の裁量としてできることの範囲内で、準備を進めていきたい」と制度導入の検討を表明していた。

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改めて考えてみると、同性婚が認められていない日本では、同性カップルにとって不便なことが多くありますね。

ただ二人で暮らしたいだけなのに、「法律で認められていないからあなた達は家族でないので入居できません」と賃貸入居を断られてしまいます。(そんな言い方はしないでしょうが。)

この理由はそれぞれの立場から考えてみることが必要だと思います。

どうして家族でないと貸してくれないのか?

賃貸物件のオーナーからしてみると、賃貸業は仕事であり、収入を得る手段です。

安定した賃料収入が得られるか、入居者同士が揉め事無く生活出来るかということはオーナー業として大きな要因です。

 

よくあるケースが「友達と3人でこの15万円の部屋借りたいんですけど!」と飛び込んでくる若者。

「僕達、バイト代20万円は貰ってるんで、一人5万ずつは絶対払えます!」

というのが彼ら彼女らの言い分です。

 

こういった話をオーナーさんにするとNOとなることが多いです。

何故なら、

・ケンカして1人でもいなくなったらどうする?

・突然、実家に帰るって言わない?

・もし2人になってしまったら一人7万5千円、1人になってしまったら15万円払わなけりゃならないんだけど覚悟ある?バイト代20万円から支払い出来るの??

家族であれば、起こりづらいことも、血縁関係が無ければ、起こりえると考えられてしまいます。

もっと言えば、結婚を前提に同棲する「男女のカップル」ですら上記のような問題が起こり得ます。

 

法律上認められないだけで家族には違いない関係

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しかし、法律上認められないが故に苦しんでいる人がいるのも事実でしょう。

賃貸物件で言えば、シェアハウス物件であれば入居をすることが出来るでしょうが、当然全体数から言えば数も少なく、そもそも普通の物件を選ぶことが出来ないということは納得出来ないと思います。

 

実に難しい問題です。

渋谷区と世田谷区で行われている同性カップルを認める手順がどのように行われているのか詳しくはわかりませんが、婚姻届を提出し戸籍を変更することと比べると証明としての効力には違いがあるでしょう。

「関連条例は制定せず、区内の不動産業者や医療機関などに協力要請・・・保坂展人区長は「区長の裁量としてできることの範囲内で準備を進めていきたい」」

とのことですが、区の中だけで対応しきれるものなのか疑問です。

あくまでも不動産賃貸はビジネスとしてリスク回避という観点でお断りしているのが現状だと思いますが、反面、賃貸借契約は法律に抵触しない限り自由に交わされるものです。

「同性カップルとして認められた方々は他と差別なく審査し、問題なければ当然入居させる」と考えるオーナーが増えれば、同性カップルが暮らしやすい世の中になるでしょう。

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