【消費者が仲介手数料無料で失うもの】仲介手数料と不動産仲介業者の仕事について

不動産仲介手数料ってホントに必要なの？なんて話題が最近騒がれています。この話は不動産仲介を行う私にとっては、聞いていてあまり気分の良い話ではありません。笑

何故なら仕事が無くなり、ごはんが食べられなくなる話だからです。けれど、必要かどうかは消費者が決めることです。ということで、今日は私が行う不動産仲介の仕事をお伝えし、それが必要なのか？ホントは不必要なのか？を考えてみたいと思います。

不動産仲介の仕事

そもそも、何でこんな話になっているのか？それを考えると、不動産ポータルサイトがたくさん出来て、不動産情報を得るためのコストが下がってきている事にあると思います。

これまでの不動産仲介の仕事といえば、空き物件情報の紹介がメインでした。空いている部屋の情報は業者しか持っていなかったからです。不動産業者は情報を得るためにお金と時間を使い、それを提供していました。

小売業に置き換えてみれば、卸問屋から仕入れた商品を小売業者が消費者に販売していたものが、卸問屋から直接消費者に販売するようになったということです。

製造業⇒卸問屋⇒小売業⇒消費者

オーナー⇛管理会社⇛仲介業者⇛入居者

これまでの仕組みが上記のような方法だったのが、

製造業⇛卸問屋⇛ネットショップ⇛消費者

オーナー⇛管理会社⇛「ポータルサイト」⇛入居者

管理会社（もしくはオーナー）から直接消費者に情報が渡るようになった、という訳です。

こうやって見てみると気付くことはありませんか？？

仲介業者がポータルサイトに変わっただけということに。

情報は不動産屋に行かなくても得られるようになりました、しかし実体は、仲介業者がポータルサイトに変わっただけで、管理会社から入居者へ情報を伝えるためには間に何らかのサービスが介在する必要があるのです。（あくまでも、「現状では」です。）

何が増えて、何が減ったのか？

仲介業者がポータルサイトに置き換わったわけですから、消費者にとっては何らかの変化が起きているはずです。それらを顧客目線で考えていきます。

ポータルに変わって得たメリット

• 仲介手数料の割引を得られた
• 顔を突き合わせなくても物件情報が得られた
• 自分で条件を登録しておくだけで物件情報が得られた

ポータルに変わって失ったもの

• 管理会社に直接連絡を出来るが、他の物件との客観的な比較をしてくれる仲介業者がいなくなった
• 物件情報を提示するのは顧客側からのみで、不動産のプロの目線で真のニーズを引き出してくれる人がいなくなった
• 実際に物件を見に行って一緒に考えてくれるプロがいない

顧客目線でと言いながら、自分かわいさに仲介業者擁護の比較になってしまったかもしれません。笑

けれど間違いなく言えることは、「時間やコストを削減することで自分の味方になってくれる人(仲介業者)がいなくなった」ということだと思います。

色んな仲介業者がいるのは当然ですが、普通の仲介業者でしたら客観的に意見を言います。さらに良い仲介業者でしたら、依頼者の味方になります。他の物件との比較の上であなたに最適なアドバイスをしてくれるでしょう。

そして、これの良し悪しは消費者が判断していくことだと思います。「商品の性質が全く同じものだった場合、価格の安いものを求める」これが消費者の心理だと思います。

不動産仲介という分野においては商品は目に見えない「情報」です。

形のある商品と違い、単純に値段だけで比較が出来ません。

「ネットで探せば仲介手数料無料になったからその方がいい」は正しい比較ではありません、得られるものが異なります。全く違う商品です。

「不動産仲介業者」を「不動産情報ポータルサイト」に自分の判断で置き換えたならば、それによって得られるメリット・デメリットをしっかりと把握し選択する必要が消費者にとっても求められているのだと思います。

例えば引越前に住んでいた部屋の問題、入居後の部屋に起きた問題、住んでみて１年経った後に起きた問題、そのポータルサイトや不動産仲介業者の営業マンは解決してくれるでしょうか？

僕は仲介させて頂いたお客さまのご相談はいつでも、いつまででも乗ります。（私が生きている限りですが。。）仲介手数料をいただくのはそこに責任を持つということだと思うのです。

何に対してお金を払うのか、払わないのかは、お客さまの判断です。必要として下さる方がいる限り、僕は僕の不動産仲介を続けていきたいと思います。

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