【大手と中小での物件探しの違いとコツ】
今日は仕事の打合せで神田に来ています。
その道中、地下鉄淡路町駅と小川町駅の間にある淡路町の交差点に来たのですが、ここにはスターバックス、ドトール、タリーズと３つのコーヒーショップが交差点の対角線に並んで営業しています。
すごいエリアですよね。一杯３００円前後のコーヒーを売って、このエリアで戦うというのは。
もし、あなたが商売を始める為の店舗を探しているならば、その前にちょっとだけ僕の話を読んでみて下さい。
店を出す目的
出店をする目的はそれをする人によって様々です。その規模にもよるでしょう。ここでは３つに分けてみます。
- 売上をあげて商売するため
- プロモーションやアンテナショップとして
- 他の同業他社に出店されないため
１つ目は商売をやるわけですから一番わかり易い。売れる見込みがあり、儲かりそうだから出店する。一番シンプルな理由ですね。
２つ目は自社の宣伝の為、お客さまの反応を見るため。例えばスターバックスのホットコーヒーは３４５円（税込）これは、板橋で飲もうが神田で飲もうが同じ値段です。家賃が違う都心に出す理由は「認知」を高めることも一つの要因でしょう。
３つ目は他の同業に出店させないため。これはやや強引な話ですがコンビニエンスストアではよくある話だと思います。他に取られるくらいならウチが！ということですね。
大手の戦い方と中小の戦い方
先に挙げた３つの理由。（細かく上げればもっとあるかもしれませんが）２つ目と３つ目の理由は大企業でなければ縁の無い話だと思います。ただ１つ目の商売をするということに関しては大手も中小企業も変わりませんよね？
ここで次に出て来るのが「規模」の話。物件には１０坪未満の物件もあれば、１００坪を超える物もあります。大規模なものは当然家賃も高額になるわけですから、大手でなければ手が出せません。
となれば中小企業は、必然的に２０〜３０坪以下の小規模の物件を選択することが多くなると思うのですが、その選択の中であれば大手と同じ土俵で戦っていけるのか？・・・というと、実際はそういうわけではないんです。
絶対に成功する立地でお店をやりたい。
誰もが思うことは「この店を絶対に成功させたい」ということ。自分の希望のエリアを歩いてまわれば、「ああ、この場所で出せたらいいなぁ」と思うことも多々あるでしょう。
この「エリア」で、この「家賃」ならばスグにでもやる！
という要望はよく聞くのですが、これではなかなか見つけることは難しいでしょう。時間が掛かります。
その理由は何故か・・・
それは、「あなたのその希望は、他の人も同じことを考えているから」です。
漁師の例え話
ここからは例え話です。
とある村に、凄腕の漁師さんがいたとします。
この漁師さんが捕る魚は絶品で、多くの人達が欲しいと願っています。
Aさんは村一番のお金持ちで、たくさんのお店を経営しており、これまでもたくさんこの漁師さんから魚を買っていました。
Bさんはこの漁師さんと古くから付き合いがあり、量はたくさん買いませんが、これまで必ずこの漁師さんから魚を買っていました。
あなたはこの村に来たばかりの住人です。この漁師さんが捕る魚を是非食べてみたいと思い話をしに行きました。
あなた「漁師さん、あなたの素晴らしい評判を聞きました！僕はあなたの捕る魚がどうしても食べたいんです！」
あなた「僕の予算は◯◯円で、年末までに食べたいんです。もしいい魚が手に入ったらすぐに譲って下さい！お金もすぐ払います！！」
・・・あなたはその熱意で、この漁師さんに魚を売ってもらえるでしょうか？
やっぱり難しそうですよね。
良い物件は売り手市場
不動産に戻してみれば、自分の資産である不動産を人に貸すならば「出来るだけ、安心出来る人に貸したい」というのがオーナーの心情です。
どうせ貸すならば、初めてオープンする人よりもこれまでの実績がある人、お金を持っている人に貸したいと考えるのが当然ですよね。さらにその物件が人気物件であれば、自分にとってより条件の良い人（高い家賃で借りてくれる人）に貸したいと考えるのが普通です。
となれば、同じ物件、同じ条件で話が進んだとしても、大手と中小企業では同じ土俵で話は進まないのです。同じ中小企業同士ですらこれまでの実績と経験で差が出てきてしまいます。
厳しい意見になってしまいますが、不動産探しにおいて限られた資金の中で初めて物件を探す人は、不利な状況からスタートしなければならないのは事実です。
１００％自分の要望ありきで探してもそれ通りのものが手に入る可能性は低いならば、不利な条件下でもそこで自分にしか出来ない商売は何か？を模索していくことがカギだと思います。
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