自殺事故物件の説明義務について、一ヶ月だけ住むバイトの真相

不動産を探し始めると気になるのが「事故物件」。自分が住む場所で過去に自殺事故が起きていたら嫌だと考える方も多くいるはずです。

 

事故物件の見分け方

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中古物件の売買などであれば、不動産業者が売主と調査をする中で過去に事故があったことが分かる場合もあります。しかし、賃貸物件の場合、業者が貸主・元付でない場合は、判別することが困難でしょう。

あくまでも参考ですが、事故物件を調べるサイトとして

大島てる CAVEAT EMPTOR: 事故物件公示サイトhttp://www.oshimaland.co.jp/

というウェブサイトもあります。

(このサイトはユーザーによる投稿もあります、表示されたデータに対する判断は慎重に個人で判断して下さい。)

少し手間はかかりますが、対象物件の近所を歩いてみて、近所の方の物件に対する評判を聞くという方法が一番だと私は思っています。

 

事故物件の説明義務

事故物件であった場合は不動産は教えてくれないの??と考える方も多いと思います。

「顧客の多くが貸主さん」という不動産屋と、「顧客の多くが借主さん」という不動産屋という立場の違いによって一概には言えないと思いますが、

不動産屋さんの立場としては
「判例に則った判断をし、状況に応じて伝える」というのが正直なところでしょう。

 

 

法律のルールは無い!?

もちろん説明義務はあります、

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第三十五条(重要事項の説明等)
宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者(以下「宅地建物取引業者の相手方等」という。)に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、取引主任者(宅地建物取引士)をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。

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不動産を仲介する者として、重要事項の説明は必ず行わなければなりません。

しかし、事故物件の説明義務について、明確な判断基準はありません。

そこで参考になる考え方として、現在東京地裁の判例があります。

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東京地裁 平成19年8月10日 判決

自殺事故による嫌悪感も,もともと時の経過により希釈する類のものであると考えられることに加え,一般的に,自殺事故の後に新たな賃借人が居住をすれば,当該賃借人が極短期間で退去したといった特段の事情がない限り,新たな居住者である当該賃借人が当該物件で一定期間生活をすること自体により,その前の賃借人が自殺したという心理的な嫌悪感の影響もかなりの程度薄れるものと考えられるほか,(中略)自殺した本件を賃貸するに当たり,自殺事故の後の最初の賃借人には本件室内で自殺事故があったことを告知すべき義務があるというべきであるが,当該賃借人が極短期間で退去したといった特段の事情が生じない限り,当該賃借人が退去した後に本件をさらに賃貸するに当たり,賃借希望者に対して本件室内で自殺事故があったことを告知する義務はないというべきである。
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日本は判例法主義であるため、現段階ではこの判例に基づいた判断をするということになります。そのため、事故の最初の入居者には告知する義務はあるが、その後の入居希望者には告知義務は無いということになります。

また「極短期間で退去したといった特段の事情」がある場合は二人目以降も告知義務があると判断されていることから、噂話で聞く「事故物件に1ヶ月だけ住むバイト」というのは、判例上告知義務が無くなるわけではないのです。

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